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世界屈指の地下鉄網
ロシアの首都モスクワを走る地下鉄は、世界でも屈指の利用客が多い巨大地下鉄路線網として知られる。1935年開業で、一日の平均利用者数はおよそ800万人、12路線203駅、総延長は実に338キロメートルにも及ぶ。
地下鉄網がこれだけ発達した理由としては、人口が1192万(2012年)と世界でも指折りの大都市であると同時に、冬の寒さが厳しく、マイナス10度を下回ることも珍しくないモスクワの気候もあるだろう。降雪や凍結などもあるため、路面電車が発達せずに地下鉄が拡大したのだ。サンフランシスコやシカゴで発達した路面電車が、冬に降雪のあるボストンでは中々発達しなかったのと同じような理由だ。
モスクワの地下鉄は、その利用客の多さのみならず、まるで美術館か宮殿のように豪華な装飾が施された絢爛たる駅も有名だ。シャンデリアに彫像、モザイク画、ステンドグラスなど、およそ普段通勤・通学で使う駅とは思えないような、瀟洒な飾り付けがされた豪勢な駅が幾つもあるのだ。
モスクワの地下鉄駅
そのあまりの豪華さに「地下宮殿」などとも呼ばれるモスクワの地下鉄駅の中でも特に目を引くのが、ラトビア人の芸術家らの手によるステンドグラスの装飾が施された「ノヴォスロボーツカヤ駅」。美しくも細やかな意匠をこらしたそれぞれの作品は、これまた精緻なデザインの真鍮製の縁で周囲を縁どられ、照明に浮かび上がる。